あん摩マッサージ指圧の適応症
あん摩マッサージ指圧の適応症は、疲労回復、疾病予防、健康の保持・増進などの目的のものです。
例えば、半健康症候群、日常遭遇しやすい病気、不定愁訴症候群などがあります。
半健康症候群とは、病気ではないが心身に何らかの症状がでている状態のことです。
不定愁訴とは、『疲れが取れない』、『頭が重い』、『よく眠れない』などの症状があるのに検査では何も異常が見当たらない状態のこととされています。
不定愁訴症候群は自律神経系または内分泌系の異常によって起こるとされています。
あん摩マッサージ指圧の適応疾患
あん摩マッサージ指圧の禁忌症
禁忌症には、絶対的禁忌症と相対的禁忌症の二つに分けられます。
絶対的禁忌症とは、施術を行えない・行う事が出来ない疾患・症状・状態です。
相対的禁忌症とは、患者の状態、病気の時期、症状などによって治療開始の時期や施術の仕方、
施術部位などを考慮しなければならない疾患です。
絶対的禁忌症 | |
・毒蛇に咬まれたり、昆虫に刺されたりした場合 | ・心臓、肺、腎臓、肝臓などの重症の内臓疾患 |
・静脈血栓、静脈炎、動脈瘤、その他血管障害 | ・表在器官の急性炎症(虫垂炎、腹膜炎など) |
・吐血時、喀血時など安静を要する場合 | ・化膿性疾患、悪性腫瘍、梅毒、結核 |
・急性熱性病、急性伝染病 | ・骨折及び脱臼の初期 |
相対的禁忌症 | ||
・皮膚に損傷や発疹のある場合 | ・骨折及び脱臼の比較的初期 | ・妊婦、血友病、胃潰瘍 |
・高度の動脈硬化症 | ・著しい高血圧症 | ・脳卒中の初期 |
はり・きゅうの適応症
鍼施術は、疼痛性疾患と自律神経失調に基づく疾患などに対して著しい効果があるとされています。
又、鍼には消炎作用があり、炎症性疾患、アレルギー性疾患に対しても大きな効果が期待できます。
灸施術の適応症は、鍼施術とほとんど同様ですが、慢性的な疾患に対する効果が期待できます。
はり・きゅうの適応疾患
神経疾患 | ムチウチ症・ギックリ腰・痺れ・神経痛・脳血管障害後遺症・自律神経失調症・頭痛・頸椎症・三叉神経痛・など。 |
呼吸器疾患 | 感冒(風邪)・喘息・慢性気管支炎・慢性肺疾患(COPD)・間質性肺炎など |
循環器疾患 | 高血圧症・低血圧症など |
運動器疾患 | 肩こり・腰痛・五十肩・頸肩腕症候群・坐骨神経痛・膝痛・脊柱管狭窄症・ 椎間板ヘルニアなど。 |
消化器疾患 | 下痢・便秘・慢性胃炎・急性胃炎・肝機能障害など |
耳鼻科疾患 | 花粉症・蓄膿症・アレルギー・耳鳴り・突発性難聴・メニエール病など。 |
内分泌疾患 | 糖尿病・痛風・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)・甲状腺機能低下症(橋本病)・ 膠原病など。 |
泌尿器疾患 | 膀胱炎・慢性腎不全・前立腺肥大症など。 |
婦人科疾患 | 更年期障害・月経痛・月経不順・子宮筋腫・不妊症など。 |
眼科疾患 | 疲れ目・小児仮性近視など。 |
小児科疾患 | 小児神経症(かんのむし、夜尿症)など。 |
はり・きゅうの不適応症
不適応症とは、施術を行っても効果のない病気、または多少の効果があっても病状が悪くなる恐れのあるもの。
主な症状としては、寄生虫症、変性・肥大、壊疽、腫瘍、熱性病などがあります。
はり・きゅうの禁忌症
禁忌症とは、施術を行うことによって病気が悪化する恐れがあったり、危険であると考えられるもの。
主な禁忌症 | |||
・極度の高血圧 | ・高熱を発する疾病 | ・重篤な心疾患 | ・泥酔状態の場合 |
・急性伝染病 | ・急性虫垂炎 | ・悪性腫瘍 | ・出血性の疾患 |
はり施術の禁忌部位
小児泉門部、鼓膜、眼球、胸膜、腹膜、延髄部、内臓、睾丸、大血管、妊娠子宮、臍、急性炎症患部。
きゅう施術の禁忌部位
顔面部、前頸部、眼球、睾丸、妊婦の下腹部、急性炎症の患部、浅層に大きな血管や神経のある部。
高血圧について
血圧とは、血流が血管壁に及ぼす内圧の事です。
世界保健機関(WHO)と世界高血圧学会(ISH)の基準では、高血圧は、最高血圧140mmHg以上、
最低血圧90mmHg以上のどちらかでも満たしたものとされています。
この基準では更に、正常な血圧及び高血圧をそれぞれ3段階に分けています。
分 類 | 最高血圧 | 最低血圧 |
至適血圧 | 120mmHg未満 | 80mmHg未満 |
正常血圧 | 120~129mmHg | 80~84mmHg |
正常高値血圧 | 130~139mmHg | 85~89mmHg |
分 類 | 最高血圧 | 最低血圧 |
グレード1(軽症) | 140~159mmHg | 90~99mmHg |
グレード2(中等症) | 160~179mmHg | 100~109mmHg |
グレード3(重症) | 180mmHg以上 | 110mmHg以上 |
尚、患者の最高血圧と最低血圧が異なる分類に該当する場合は、より重症度の高い分類を採択することになっています。
当施術所では、施術所内で血圧を測定した際に、グレード2・グレード3に該当した患者様は、
禁忌症とみなし基本的には施術を行いませんので、あらかじめご了承ください。