督脈(とくみゃく)国際表記:GV
奇経八脈のうちの督脈は、身体の後正中を走り、他の経脈の基準となるほか、陽の海とされ、全身の気血の順行を調整するのに不可欠な経脈である。
督脈は、十二正経と同じく直属の経穴を有すので、十二正経に任脈と併せて正経十四経と呼んでいる。
督脈は、会陰部に始まり、尾骨先端から脊柱に沿って正中線上を上り、頭部および眉部の正中線を経て、上歯肉上際の中央に終る。
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- 経穴名:チョウキョウ
- 部位:尾骨先端と肛門との間。
- 取穴法:尾骨先端の下方で肛門との間に取る。
- 主治症:肛門疾患の特効穴(痔核、痔瘻、脱肛など)。
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- 経穴名:ヨウユ
- 部位:仙骨裂孔の部。
- 取穴法:長強の上方3寸、仙骨裂孔の陥凹部に取る。
- 主治症:腰痛、腰部諸筋の強直、腰部冷感、痔疾、膀胱麻痺。
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- 経穴名:コシヨウカン
- 部位:第4腰椎棘突起の下。
- 取穴法:左右の腸骨稜最上位を結ぶ仮線と脊柱とが交わるところが
第4腰椎棘突起にあたり、その下に取る。
- 主治症:腰痛、下肢の神経痛やリウマチ、関節炎や関節痛、便秘、
腰髄麻痺、遺尿症、腰部および下腹部の冷感、尿意頻数、 膀胱炎、膀胱麻痺。
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- 経穴名:メイモン
- 部位:第2腰椎棘突起の下。
- 取穴法:左右の第12肋骨先端を結ぶ仮線と脊柱とが交わる所が
第2腰椎棘突起にあたり、その下に取る。
- 主治症:腰痛、腰椎カリエス、精力減退、婦人科疾患(子宮出血)、
すべての出血(鼻出血、腸出血、痔出血など)。
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- 経穴名:ケンスウ
- 部位:第1腰椎棘突起の下。
- 取穴法:まず第2腰椎棘突起を定め、その上に取る。
- 主治症:腰痛、腰椎カリエス、胃腸疾患(嘔吐、消化不良、胃炎、
腸炎、下痢)。
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- 経穴名:セキチュウ
- 部位:第11胸椎棘突起の下。
- 取穴法:まず第2腰椎棘突起を定め、これを基準にして取る。
腰椎と胸椎との棘突起の違いをよく触察する必要がある。
- 主治症:脊髄炎、脊椎カリエス。
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- 経穴名:チュウスウ
- 部位:第10胸椎棘突起の下。
- 取穴法:まず第2腰椎棘突起を定め、これを基準にして取る。
腰椎と胸椎との棘突起の違いをよく触察する必要がある。
- 主治症:食道痙攣、背部痛、肋間神経痛、小児疳虫症。
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- 経穴名:キンシュク
- 部位:第9胸椎棘突起の下。
- 取穴法:左右の肩甲骨下角を結ぶ仮線と脊柱とが交わるところが
第7胸椎棘突起にあたり、これを基準にして取る。
- 主治症:背部痛、麻痺性疾患(中風、小児麻痺、顔面神経麻痺)、
てんかん、ヒステリー。
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- 経穴名:シヨウ
- 部位:第7胸椎棘突起の下。
- 取穴法:左右の肩甲骨下角を結ぶ仮線と脊柱とが交わるところが
第7胸椎棘突起にあたり、その下に取る。
- 主治症:腎の熱を司る。腎炎、胃疾患(食欲不振、胃酸過多症、
胃アトニー)、背部痛。
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- 経穴名:レイダイ
- 部位:第6胸椎棘突起の下。
- 取穴法:まず第7胸椎棘突起を定め、その上に取る。
- 主治症:脾の熱を司る。喘息、咳嗽、背部痛。
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- 経穴名:シンドウ
- 部位:第5胸椎棘突起の下。
- 取穴法:まず第7胸椎棘突起を定め、これを基準にして取る。
- 主治症:肝の熱を司る。機能的疾患(神経衰弱、健忘症、てんかん、
ヒステリー、小児のひきつけなど)、心悸亢進症。
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- 経穴名:シンチュウ
- 部位:第3胸椎棘突起の下。
- 取穴法:まず第7頚椎棘突起を定め、これを基準にして取る。また、
左右の肩甲棘内端を結ぶ仮線と脊柱とが交わるところが 第3胸椎棘突起にあたり、その下に取る。
- 主治症:小児科疾患の特効穴(疳虫症、吐乳症、腺病質、百日咳、
消化不良、てんかん)。神経系疾患(神経衰弱、ヒステリー、 精神病、脊髄炎、脳溢血、小児麻痺、顔面神経麻痺)、 呼吸器疾患(感冒、咳嗽、胸膜炎、肺結核、咽喉カタル、 気管支カタル、喘息)、疲労回復、肩背痛。
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- 経穴名:トウドウ
- 部位:第1胸椎棘突起の下。
- 取穴法:まず第7頸椎棘突起を定め、これを基準にして取る。
- 主治症:感冒(鍼がよい)、脳神経系疾患による頭重・頭痛・眩暈・
項強。
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- 経穴名:ダイツイ
- 部位:第7頚椎棘突起の下。
- 取穴法:頭部をやや前屈し、肩を固定して頚を左右に動かすと、
これに伴って動く突起が頚椎、動かない突起が胸椎である。 動く最下部の隆起が第7頚椎棘突起であり、その下に取る。
- 主治症:頚項強(項のこわばり)、頭痛、鼻出血、扁桃炎の発熱、
鼻カタル、肺結核。
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- 経穴名:アモン
- 部位:項窩の中央。
- 取穴法:項窩の中央で後髪際の上方5分に取る。
第1・第2頚椎棘突起の間にあたる。
- 主治症:脳炎・脳溢血、高血圧などによる言語障害の特効穴。
頚項強(項のこわばり)。
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- 経穴名:フウフ
- 部位:外後頭隆起の下方で、後髪際の上方1寸。
- 取穴法:外後頭隆起の下方で後髪際とのほぼ中間に取る。
(注)外後頭隆起の直下とする説、下方5分とする説等ある。
- 主治症:風邪の主治穴。鼻疾患(鼻出血、鼻カタル、肥厚性鼻炎、
蓄膿症)、脳充血、脳溢血、高血圧、神経衰弱、言語障害、 頭痛。
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- 経穴名:ノウコ
- 部位:外後頭隆起上際の陥凹部。
- 取穴法:外後頭隆起の上の陥凹部に取る。
- 主治症:脳充血、後頭神経痛。
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- 経穴名:キョウカン
- 部位:脳戸(ノウコ)の上方1寸5分。
- 取穴法:脳戸(ノウコ)と百会(ヒャクエ)との間を3等分して、
下3分の1のところに取る。
- 主治症:頭痛、脳充血、高血圧、てんかん。
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- 経穴名:ゴチョウ
- 部位:脳戸(ノウコ)の上方3寸、
百会(ヒャクエ)の後下方1寸5分。
- 取穴法:脳戸(ノウコ)と百会(ヒャクエ)との間を3等分して、
上3分の1のところに取る。
- 主治症:頭痛、眩暈。
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- 経穴名:ヒャクエ
- 部位:頭頂部の正中線と連耳線との交叉部。
- 取穴法:頭頂部正中線上で、連耳線(左右の耳介を前に折り、
その上月を結ぶ線)との交叉部に取る。
- 主治症:すべての脳疾患の特効穴(脳充血、脳溢血、高血圧、
神経衰弱、頭痛、てんかん、不眠症、健忘症、精神病など)。 鼻疾患(蓄膿症、肥厚性鼻炎など)、肛門疾患(痔核、脱肛)。
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- 経穴名:ゼンチョウ
- 部位:百会(ヒャクエ)の前方1寸5分。
- 取穴法:百会(ヒャクエ)と神庭(シンテイ)との間を3等分して、
後ろ3分の1のところに取る。
- 主治症:百会(ヒャクエ)の補助穴。
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- 経穴名:シンエ
- 部位:百会(ヒャクエ)の前方3寸、神庭(シンテイ)の後方1寸5分。
- 取穴法:百会(ヒャクエ)と神庭(シンテイ)との間を3等分して、
前3分の1のところに取る。 冠状縫合のほぼ中央で大泉門の部にあたる。
- 主治症:神経衰弱、不眠症、高血圧、頭痛、肥厚性鼻炎、蓄膿症。
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- 経穴名:ジョウセイ
- 部位:神庭(シンテイ)の後方5分。
- 取穴法:シンエの前方で前髪際との中間に取る。
- 主治症:眼科疾患、鼻疾患(肥厚性鼻炎、鼻茸など)、精神病、
眼窩上神経痛。
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- 経穴名:シンテイ
- 部位:前髪際を入ること5分で正中線上。
- 取穴法:頭部正中線上で、前髪際を入ること5分に取る。
(注)前髪際の正中とする説もある。前髪際の不明なものに ついては、眉間の中央の上方3寸として取穴する。
- 主治症:神経衰弱、不眠症、高血圧、頭痛、肥厚性鼻炎、蓄膿症。
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- 経穴名:ソリョウ
- 部位:鼻尖の中央。
- 取穴法:鼻尖の中央で、指頭で押すと特に凹むところに取る。
- 主治症:鼻出血(あまり用いない)。
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- 経穴名:スイコウ
- 部位:鼻中隔の下で人中の中央。
- 取穴法:鼻中隔直下と上唇との中間、人中の中に取る。
- 主治症:気付けに用いる(脳充血、脳溢血、ヒステリー、てんかん、
人事不省)。
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- 経穴名:ダタン
- 部位:上唇の中央で皮膚と粘膜との移行部。
- 取穴法:上唇の中央で皮膚と粘膜との移行部に取る。
- 主治症:顔面神経麻痺(あまり用いない)。
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- 経穴名:ギンコウ
- 部位:上歯肉の上際で上唇小帯の直下。
- 取穴法:上歯肉の上際で上唇小帯の直下に取る。
- 主治症:あまり用いない。
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